8時をだいぶまわって朝食会場に行くと、カメラマンさんがすでに食事をとっていた。きけば朝5時に起きて朝風呂に入り、熊本城のあたりを散歩していたという。しまった……。わたしもそうやって朝時間を満喫すればよかった。旅上手なカメラマンさん。一緒にいるとこちらもたのしい。

9時半にチェックアウトし、10時に取材先に入る。撮影は順調に進み、ランチをとる時間もあった。今号のクウネルに出ていた会楽園に連れて行ってもらい、熊本名物の太平燕(タイピーエン)を食べる。今回の出張は食べものにとてもついている。酢豚も油林鶏も衣がさくさくでおいしかった。

ついているのは食べものだけでなく、この取材者の方に出会えたことは、わたしの人生の宝物になると思った。心が動かされるとともに、それを原稿にまとめるんだと考えると気がきゅーっと引き締まる。撮影を終えて肩の荷がおりているカメラマンさんの横で、どんどん緊張が深まっていくのはいつものことだが、今回はその対比がいつもに増して大きい。

さて、全仕事が終了しても、飛行機の時間までちょっとあるので熊本の中心地までもどった。奈良さんの絵を観に美術館に行くか、熊本城に行くか迷って、熊本城を選ぶ。昨日今日、道路から見上げていた天守閣のてっぺんにのぼり、自分たちが居たあたりの景色を確かめるように見下ろした。

レンタカーを返し、空港について、おそらく編集者の念願だったろう(熊本到着の段階から、ことあるごとに情報をチェックしていた)熊本ラーメンを食べようとするも、空港内の店舗がリニューアル工事中。残念だけど、食は十分すぎるほどにたのしんだからね、とあきらめる。きっとまた今度。
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