「専門分野を持つ」という課題は棚上げしたまま、30代前半は、苦手な家事やわからないことだらけの子育てと正面対決していた。一つひとつ、調べたり、試したりしてクリアしていく中で、「この経験を仕事に換算せねば」という気持ちが生まれる。育児の記事、インテリアの記事などに自分が実体験で得た肌感覚を反映させていくのは、無理がないし、おもしろかった。専門分野は持てなくても、その時々で、同世代の人たちの困っていることや感心のあることに焦点をあてていけばいいんだ。「通ぶりたいミーハー」のまま、時代とともに進んでみよう。

やがて友人のピンチヒッターで、高畑好秀さん監修の子育てコーチングの本を、書かせていただく機会に恵まれた。自分の育児にも大きな影響を与えてくれた本なのだが、編集担当さんは独身女性で、なんとなく趣味があいそうだなーと感じていた。「こんどは育児じゃない本もご一緒しませんか。“カフェで個展”をテーマにした本が作りたいんです」と話してみたところ、「いいですね!」と盛り上がり、自分でもびっくりするぐらいにスムーズに、企画を通してもらえたのだ。

(つづく)