地元の書店でうちの母が「小学校6年生の男の子におすすめの推理小説はありますか?」とたずねたときに、わからないとあっさり言われてしまったことがある。レジの人にきいたうちの母も悪いけど、少しがっかりした。

それから数ヶ月。今度は新宿の大型書店に行ったついでに、売場の若い男性店員さんを見つけて「中学1年の男の子が読みそうな推理小説はありますか? ふだんは○○とか読んでいるんですけれど」とたずねてみた。店員さんはすぐに「私が同じ年ぐらいの頃は○○○○とか読んでいましたけどーー」と王道の作家さんの名前や、「こちらもおもしろいし、中学生でも読みやすいと思います」と今流行の作家さんの名前を出してくれた。さらには「ちなみにすでに読んでいる本の著者さんの、他の作品でもいいと思うんですけど、あ、でもな……」と言葉をつまらせている。どうやら某著者さんの他の作品は評判がまちまちらしく、「こんなこと言うのもなんですが……」と、おすすめしないニュアンスをにおわせていた。うーん。なんて理想的なやりとり。この店員さんは本が大好きで、この仕事をしているのだ。中学生の男の子が読んでがっかりしないようにとの気配りが伝わってきた。
日記にアップするのはすごく迷った。私、本人になんの言葉もかけられなかったのに、なんでこんなところで……って。ずっとずっと命のことを考えている。わが子を失って、震災があって、父が逝って、私は自分でもわかっているつもりだったのに、でもやっぱりわかってないのかもしれない。境目はとつぜんにやってくる。そしてもう二度ともどれない。自分と同じ年の子どもを持つ友だちが旅だったことがせつなくて苦しくて仕方がない。ただ、でも……。結論を出すわけではもちろんないのだけれど、彼女が精一杯たのしく生きていたことに気持ちを向けたいと、いまは思うようにしている。
少し前に借りて読んだ本のことを思い出している。『とりつくしま』。

さて、もうすぐ1時55分。長男が生まれた時間。あそこも境目だったんだ。
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そしておめでとうの会。
一瞬にして13本のろうそくを吹き消した!
さすが中学生。