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新刊撮影スタート。来秋発売に向けて、花生師・岡本典子さんの初めての著書を作っている。デザイナーさんも立ち会ってくれた初日は、とてもいい雰囲気で意見が飛び交う。どんなトーンか、みんなで確かめあいながら、一歩一歩、進めていった。
<やまぐちめぐみ クラウドファンディングと作品展のお知らせです>

明日の10日より、やまぐちめぐみさんの作品展「めぐみめぐる」がはじまります。タンバリンギャラリーです。

2015年11月10日(火) - 11月15日(日)
11:00 - 19:00 *最終日は18:00まで
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めぐみさんが絵を描きはじめたのは、30代半ばとけっして早いスタートではありませんでした。そこから最期にいたるまでのさまざまな絵を、今回の作品展では観ていただけます。

めぐみさんの絵は、そのスタイルが確立した後も変わっていきました。そのことについて、いつかめぐみさんの意見を聞いてみたいと思いながらも、私は自分の個人的な体験にまつわる感情をめぐみさんの絵の世界に投影していたので、自分の解釈のままでいたい気持ちもあって、聞けずにいたのです。

めぐみさんとは、めぐみさんの本を作りたいーーと話していたので、それが進めば必然的に、取材できるものだと思っていました。そんな機会も失ってしまったので、明日からの作品展で、思う存分、めぐみさんの絵と対話してみたいと思っています。

★同時に、めぐみさんのアトリエにて「分ける会」も開催しています。当日の予約もなるべく受け付けていますので、よかったらみなさんぜひこちらも、足を運んでみてください!

★★私は期間中、10日(火)15〜17時、12日(木)15〜17時に、タンバリンギャラリーでお手伝いする予定です。

★★★やまぐちめぐみさんの作品維持のために、クラウドファンディングもスタートしました!! ご支援、よろしくお願いします。

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この本は私にとっての「はじめの一歩」だ。

アシスタント期間を経て、フリーライターとして独立したのが30歳の頃。同時期に結婚、出産をしたので、そこから5〜6年は助走期間のようだった。仕事はしたくてたまらなかったけれど、暮らしの真ん中にはドカーンとはじめての子育てが存在していて、夫婦や家族としてのカタチをゆらゆら積み上げていくような毎日。だからこそ、少ししかできないならば仕事は「したいこと」に絞っていこうと、自分が好きなテーマに向かって純粋に気持ちを高めていけた部分がある。

2006年に三男が他界した時にいちど、すべての仕事を休んだ。家にこもっていたのは半年ぐらいで、周囲の人たちの心遣いのおかげで、ピンチヒッターや紹介を通じて新しい仕事に関わっていくようになった。

そんな時期に私がはじめて、自分で企画を立てて編集者に持ち込みをしたのが、この本だった。

(つづく)
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『展示・ものづくり はじめの一歩』は、自分の体験したこと、実感したことの中から発見した内容で企画を立ててまとめた、という意見で、私にとっての「はじめの一歩」なのだ。「こんな本が欲しい」という自分の個人的な実感値からスタートしている。

話がぐっとさかのぼるが、ライターのアシスタントについて最初の頃は、自分の消し方というか、客観的に記事をまとめることを、まずはたたき込まれる。ライターは作家でもなければ、エッセイストでもない。「何者でもないような、おまえの意見なんかお金を払ってききたくない。調べた事実を書け」と師匠に何度も言われながら、ライターとしての文章の書き方を覚えていく。たとえばパン屋さんの記事を書くとして、そのおいしさを個人の感想ではなく伝えるには、現在のパン市場の傾向や、媒体の読者層の認識や好みを踏まえた上で、食感、香り、使われている素材による風味などを具体的に示す。そして、10件のパン屋さんを紹介するなら、特徴がわかるように差別化してまとめる。

仕事として当たり前のことだけれど、ライターになったばかりの私にはそれがたいへんで、つねに意識をしながら自分のカラダにしみ込ませていく期間が必要だった。今では意識しなくても自然にそれを目指しているーーぐらいのスキルは身についた。

そして思うのである。自分らしい仕事ってなんだろうと。

師匠は「おまえの意見なんかききたくない」と言いながら、「40すぎたら自分の名前がたてられないと、ライターとして生き残れないぞ」というのも、繰り返し教えてくれた。

でも、私は何に詳しいわけでもなかった。好きなものはいろいろあっても、そのジャンルで詳しい人はすでにいるし、専門分野を持ってそれだけを突きつめて書いていくって楽しいのかな? というのもピンとこなかった。

流行りに敏感なわけでもないのに、みんながやってることはつまらない、とも思っている。最先端にも、マニアにも、ミーハーにもなりきれない。そんな自分のことを「通ぶりたいミーハー」だとつねづね思っていた。なんて中途ハンパな立ち位置。

(つづく)
「専門分野を持つ」という課題は棚上げしたまま、30代前半は、苦手な家事やわからないことだらけの子育てと正面対決していた。一つひとつ、調べたり、試したりしてクリアしていく中で、「この経験を仕事に換算せねば」という気持ちが生まれる。育児の記事、インテリアの記事などに自分が実体験で得た肌感覚を反映させていくのは、無理がないし、おもしろかった。専門分野は持てなくても、その時々で、同世代の人たちの困っていることや感心のあることに焦点をあてていけばいいんだ。「通ぶりたいミーハー」のまま、時代とともに進んでみよう。

やがて友人のピンチヒッターで、高畑好秀さん監修の子育てコーチングの本を、書かせていただく機会に恵まれた。自分の育児にも大きな影響を与えてくれた本なのだが、編集担当さんは独身女性で、なんとなく趣味があいそうだなーと感じていた。「こんどは育児じゃない本もご一緒しませんか。“カフェで個展”をテーマにした本が作りたいんです」と話してみたところ、「いいですね!」と盛り上がり、自分でもびっくりするぐらいにスムーズに、企画を通してもらえたのだ。

(つづく)